テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2015.05.05

直感で判断力アップ~選択肢をへらすススメ

 私たちは、品揃えが豊富なほど、ものは売れると考えがちだ。しかし、一概にそうとはいえないことが分かっている。アメリカのある高級スーパーで、別の日に2種類のテイスティング・ブースを設けた。一つには6種類のジャムを、一つには24種類のジャムを置いたところ、立ち止まる人は24種類のブースのほうが多かったが、売上は、何と6種類のほうが10倍も多かったという。

 独身の若者たちに、オンライン・デートのプロフィールを見せる実験でも、同様の結果が出た。はじめは皆、多くのプロフィールのなかから相手を選びたがっていた。しかし、最終的には、4人のプロフィールを見た群よりも、20人のプロフィールを見たほうがうんざりしていたという。

 人は選択肢が多ければ満足できるというわけではないのだ。

ベテランは直感的に動いたほうが結果が良い

 ある実験では、ベテランのゴルファーが2通りの条件でパットしたところ、面白い結果が出たという。好きなだけ時間をかけてパッティングするよりも、3秒の制限時間を設けて打ったほうが、カップ・インの数が多かったのだ。ちなみに、新米ゴルファーは、もちろん好きなだけ時間をかけたほうが、成績が良かった。

 ゴルフだけでなく、ハンドボールなどのスポーツでも、同様の実験結果が出ている。ベテランは、直感的に動いたほうが、考え抜いた行動よりも概して成績が良いのである。

直感は情報や選択肢がそれほど多くないときによく働く

 以上のことから分かるのは、「情報や選択肢が多すぎると、直感はうまく働かない」ということだ。もちろん、少なすぎるのも良くない。物事がちょうどよく運ぶ情報量が存在するのだ。そして、環境さえ整えば、直感はかなりよく当たるのである。

~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

『失敗の本質』より先に指摘した日本型組織の弱点

『失敗の本質』より先に指摘した日本型組織の弱点

『タテ社会の人間関係』と文明論(7)日本型組織とリーダーシップの問題

日本軍研究で知られる『失敗の本質』よりも前に、日本型組織の弱点を指摘していた『タテ社会の人間関係』。日本の軍隊と英米の軍隊を例にとって、人間関係を重視する日本型組織の特徴を鋭く指摘、さらに法然と弟子の話を取り上...
収録日:2024/05/27
追加日:2024/09/19
2

オウンゴールも!?ロシアにとって許しがたいNATO拡大の背景

オウンゴールも!?ロシアにとって許しがたいNATO拡大の背景

ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大

長期化の様相を呈しているロシア・ウクライナ戦争。ウクライナに対してロシアが仕掛けているのは、多角的な手段を用いた「ハイブリッド戦争」である。それはいったいどのような戦略なのか。本シリーズ講義では、まずはこの戦争...
収録日:2024/07/25
追加日:2024/09/18
廣瀬陽子
慶應義塾大学総合政策学部教授
3

人の資本主義とは――新しい人間像と現代資本主義への警鐘

人の資本主義とは――新しい人間像と現代資本主義への警鐘

人の資本主義~モノ、コトの次は何か?(1)「人の資本主義」とは何か

「人間とは何か」「資本主義とは何か」、この二つの問い、その概念は歴史の上で常に変化し続けているという中島氏。「人の資本主義」は人と資本主義の合成語だが、両者を結合するとどのような反応がもたらされるか。今よりもよ...
収録日:2024/04/11
追加日:2024/07/27
中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授
4

どうすれば「最高の睡眠」は実現するか…健康な睡眠とは?

どうすれば「最高の睡眠」は実現するか…健康な睡眠とは?

「最高の睡眠」へ~知っておくべき睡眠常識(1)健康な睡眠のための方法

人生の約3分の1を、人は寝て過ごす。人間にとって不可欠な「睡眠」について、まだ分かっていないことが多く、睡眠ストレスや寝不足に悩む人は多い。現代人はどのように生活すれば最高の睡眠を得られるのだろうか。その前に、そ...
収録日:2021/06/23
追加日:2021/09/14
西野精治
スタンフォード大学医学部精神科教授
5

生物学的性差と文化的ジェンダー概念の入れ子構造の難しさ

生物学的性差と文化的ジェンダー概念の入れ子構造の難しさ

ヒトの性差とジェンダー論(5)生物学的性差と文化

第二次世界大戦下、その影響で飢餓が続いたオランダで集団としてそのときに生まれた男の子にゲイが多いという話がある。それは母親が極度のストレスを受けた生物学的影響だというが、一方で日本の戦国時代のような戦場で見られ...
収録日:2024/05/18
追加日:2024/09/16
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長