テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2015.05.26

「男性更年期」その恐ろしさと対処法

 最近、耳にする機会の増えていた「男性更年期」。閉経と前後した時期に、ほてりや発汗、うつなどの症状を示すのが女性の更年期障害ですが、男性も中高年頃から、同じような症状を示すことがあることから、この名が付けられています。

男性の場合は40~80代以降までと幅広い

 女性の更年期は閉経前後5年と明確ですが、男性の場合は医学的に決まった定義があるわけではありません。アメリカの調査では、約60代の2割、70代の約3割、80代の半数程度が、男性更年期と呼ばれる症状を起こしています。また、まったく症状を示さない男性も多くいます。

原因は男性ホルモンが減少

 男性更年期障害の原因は、テストステロンの減少です。テストステロンはいわゆる男性ホルモンで、男性の声や体つき、性的な能力に影響するホルモンです。生理的な作用だけではなく、社会的な面にも影響することも認められていて、例えば次のような作用があると言われています。

・新しいことにチャレンジする意欲、やる気を増す
・社会的に公平、公正な考え方を持ちやすくなる
テストステロンが高い場合と低い場合で比較すると、高い場合は嘘をつきにくくなる

男性ホルモンが減少することで様々な不具合が!

 男性の場合、どんな人でもテストステロンは加齢で少しずつ減少します。すると以下のような不調が体に表れてくることが観察されています。

 ・疲労感、疲れがとれにくい
 ・筋肉がつきにくくなる
 ・お腹が出てくる
 ・ほてりや発汗
 ・排尿や性機能に不具合が出る
 ・うつ気味になる

 また、命に関わる次のような現象の可能性も出てくると言われています。

 ・骨の密度が減ってくる
 ・動脈硬化が進む
 ・糖尿病、高血圧、がんなどにかかりやすくなる
 ・糖尿病、高血圧、がんなどが重症化しやすくなる

どうやったらテストステロンは回復する?

 ですが、テストステロンは次のような手段で回復させることも可能です。

 ・定期的な運動
 ・睡眠をしっかり取る
 ・タンパク質をしっかり摂る
 ・野菜を中心とした食事内容。特にブロッコリーやネギ類は有効
 ・炭水化物中心の食事にしない

 定期的な運動というのは、10分間の階段の昇り降りでも、ずいぶん違ってくるといいます。逆に言えば、これらのことを怠ると男性更年期にかかりやすくなってくると言えるでしょう。現在は多くの医療機関で、テストステロンが測れることができます。昔、なかった疲労感など感じるようになったら、一度測定してみるのも良いでしょう。

~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

『失敗の本質』より先に指摘した日本型組織の弱点

『失敗の本質』より先に指摘した日本型組織の弱点

『タテ社会の人間関係』と文明論(7)日本型組織とリーダーシップの問題

日本軍研究で知られる『失敗の本質』よりも前に、日本型組織の弱点を指摘していた『タテ社会の人間関係』。日本の軍隊と英米の軍隊を例にとって、人間関係を重視する日本型組織の特徴を鋭く指摘、さらに法然と弟子の話を取り上...
収録日:2024/05/27
追加日:2024/09/19
2

オウンゴールも!?ロシアにとって許しがたいNATO拡大の背景

オウンゴールも!?ロシアにとって許しがたいNATO拡大の背景

ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大

長期化の様相を呈しているロシア・ウクライナ戦争。ウクライナに対してロシアが仕掛けているのは、多角的な手段を用いた「ハイブリッド戦争」である。それはいったいどのような戦略なのか。本シリーズ講義では、まずはこの戦争...
収録日:2024/07/25
追加日:2024/09/18
廣瀬陽子
慶應義塾大学総合政策学部教授
3

人の資本主義とは――新しい人間像と現代資本主義への警鐘

人の資本主義とは――新しい人間像と現代資本主義への警鐘

人の資本主義~モノ、コトの次は何か?(1)「人の資本主義」とは何か

「人間とは何か」「資本主義とは何か」、この二つの問い、その概念は歴史の上で常に変化し続けているという中島氏。「人の資本主義」は人と資本主義の合成語だが、両者を結合するとどのような反応がもたらされるか。今よりもよ...
収録日:2024/04/11
追加日:2024/07/27
中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授
4

どうすれば「最高の睡眠」は実現するか…健康な睡眠とは?

どうすれば「最高の睡眠」は実現するか…健康な睡眠とは?

「最高の睡眠」へ~知っておくべき睡眠常識(1)健康な睡眠のための方法

人生の約3分の1を、人は寝て過ごす。人間にとって不可欠な「睡眠」について、まだ分かっていないことが多く、睡眠ストレスや寝不足に悩む人は多い。現代人はどのように生活すれば最高の睡眠を得られるのだろうか。その前に、そ...
収録日:2021/06/23
追加日:2021/09/14
西野精治
スタンフォード大学医学部精神科教授
5

生物学的性差と文化的ジェンダー概念の入れ子構造の難しさ

生物学的性差と文化的ジェンダー概念の入れ子構造の難しさ

ヒトの性差とジェンダー論(5)生物学的性差と文化

第二次世界大戦下、その影響で飢餓が続いたオランダで集団としてそのときに生まれた男の子にゲイが多いという話がある。それは母親が極度のストレスを受けた生物学的影響だというが、一方で日本の戦国時代のような戦場で見られ...
収録日:2024/05/18
追加日:2024/09/16
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長