テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2020.10.26

日常の車のトラブル…最も多いものは?

 まだコロナ禍ではありますが、規制が緩和されたりと世の中は少しずつ平常にもどりつつあるようです。これを機にお出かけを計画している人も多いのではないでしょうか。近場にいくならやはり車が便利。また車なら自由に動けるメリットもあります。ただしさまざまなトラブルがつきまとうのも事実です。というわけで、今回は車のトラブルで多いものと、防止策について確認しておきましょう。

JAF出動理由1位は「過放電バッテリー」

 JAFの「ロードサービス救援データ(2019年度:年間)」によると、2019年度の救援件数は一般道路で2,097,636件、高速道路では69,311件、合わせて2,166,947件です(うち二輪車は69,864件)。日常的にかなりのトラブルが起こっていることがわかります。ではどういったトラブルが多いのでしょうか。実際の救援理由を4輪車に絞って、多い順に見てみましょう。

 一般道路・高速道路合計での救援理由別トップ10は以下のとおり。左から、順位、故障内容、件数、構成比です。

1位 過放電バッテリー 693,234件 33.06%
2位 タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 402,739件 19.20%
3位 キー閉じ込み 150,106件 7.16%
4位 落輪・落込 137,735件 6.57%
5位 破損/劣化バッテリー 127,499件 6.08%
6位 事故 84,368件 4.02%
7位 燃料切れ 53,686件 2.56%
8位 発電機/充電回路 38,951件 1.86%
9位 スタータモータ 27,032件 1.29%
10位 ハンドルロック・キー作動機構 24,569件 1.17%
以上合計 1,739,919件 82.97%
上記以外 357,164件 17.03%

 1位は過放電バッテリー。駐車した際、ヘッドライドをつけっぱなしにしていたり、エアコンをつけたままにしていたりすると起こります。また半ドアでルームランプがつけっぱなしになっていても40時間ほどでバッテリーは上がるそうです。5位の破損/劣化バッテリーと合わせると、バッテリー関係の問題が4割近くを占めています。また最近はカーナビやドライブレコーダーなどの電装部品も多く、バッテリーの消費がおおきくなっていることも問題の一つとしてあるようです。

 2位のタイヤのパンク、バースト、エアー圧不足は、ここ数年増加しています。特に高速道路では救援依頼理由トップ。JAFによる2017年のアンケートでは、36%のユーザーが自分の車の指定空気圧を知らず、月1回の空気圧チェックを行っているひとも14%程度にとどまっています。以前は給油の際、店員が空気圧チェックを行う場面もおおかったのですが、セルフ式ガソリンスタンドが一般化したことにより、問題が起こりやすくなっていることが理由としてあげられるようです。

月に1度チェックしよう

 バッテリーの寿命は一般的に2年から3年と言われています。また、ほとんど乗らないでいてもバッテリーは劣化していきます。エンジンの掛かりが悪くなったり、ライトが暗くなったり、パワーウィンドウの開閉が遅いといった状況があればバッテリーが劣化している可能性があります。思い当たる節があれば、メンテナンスやバッテリー交換した方がいいかもしれません。

 また、タイヤの空気はどのような車でも少しずつ抜けていきます。空気圧が低いとハンドルを取られたりするだけでなく、燃費が悪くなったり、タイヤの偏磨耗やパンクの原因となります。ガソリンスタンドの空気充填機はセルフ式でも自由に使えたり、希望すれば点検してもらえたりする場合も多いです。適正な空気圧は運転席のドアを開けたところなどに表示されています。給油の際など、空気圧は定期的にチェックするようにしましょう。

 JAFによると、タイヤやバッテリーの他にも、ウィンドウウォッシャー液の量や噴射状態、エンジンオイルの漏れや汚れ具合、冷却水の量といったポイントについて、月に1度を目安に確認することが推奨されています。

バッテリーが上がってしまったら「ジャンピングスタート」を行う

 では、エンジンがかからなくなってしまったらどうすればいいのでしょうか。まず問題を判別します。エンジンをかけるときに動く「セルモーター」が動く場合は、ガス欠など別の問題。またセルモーターが動かず、ライトやエアコンといった電装品は動くということであれば、セルモーター自体に問題があります。セルモーターが回らず、電装品も作動しない場合、バッテリーが上がっていると考えられます。バッテリーが上がってしまったら、他の車から電気を分けてもらってエンジンを始動させる「ジャンピングスタート」を行います。自分で行える自信がない場合、またブースターケーブルが手元にない場合、業者に救援要請しましょう。 

 「ジャンピングスタート」はケーブルをつなぐ順序や位置を間違えると過剰な電流が流れることがあります。感電やショートのリスクがあるので、正確な情報をしっかり確認して作業しましょう。もし、ジャンピングスタートでもエンジンがかからない場合は、バッテリー交換が必要です。焦らず業者を呼びましょう。また、一度バッテリー上がりを起こしたバッテリーは大きなダメージを受けています。また、そもそもバッテリーが上がる原因が他にある可能性もあります。「ジャンピングスタート」はあくまで応急処置です。なるべく早めに整備工場で点検を受けましょう。

<参考サイト>
・ロードサービス救援データ│JAF
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/library/road-service-report
・クルマ何でも質問箱│JAF
http://qa.jaf.or.jp/trouble/handling
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

『失敗の本質』より先に指摘した日本型組織の弱点

『失敗の本質』より先に指摘した日本型組織の弱点

『タテ社会の人間関係』と文明論(7)日本型組織とリーダーシップの問題

日本軍研究で知られる『失敗の本質』よりも前に、日本型組織の弱点を指摘していた『タテ社会の人間関係』。日本の軍隊と英米の軍隊を例にとって、人間関係を重視する日本型組織の特徴を鋭く指摘、さらに法然と弟子の話を取り上...
収録日:2024/05/27
追加日:2024/09/19
2

オウンゴールも!?ロシアにとって許しがたいNATO拡大の背景

オウンゴールも!?ロシアにとって許しがたいNATO拡大の背景

ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大

長期化の様相を呈しているロシア・ウクライナ戦争。ウクライナに対してロシアが仕掛けているのは、多角的な手段を用いた「ハイブリッド戦争」である。それはいったいどのような戦略なのか。本シリーズ講義では、まずはこの戦争...
収録日:2024/07/25
追加日:2024/09/18
廣瀬陽子
慶應義塾大学総合政策学部教授
3

人の資本主義とは――新しい人間像と現代資本主義への警鐘

人の資本主義とは――新しい人間像と現代資本主義への警鐘

人の資本主義~モノ、コトの次は何か?(1)「人の資本主義」とは何か

「人間とは何か」「資本主義とは何か」、この二つの問い、その概念は歴史の上で常に変化し続けているという中島氏。「人の資本主義」は人と資本主義の合成語だが、両者を結合するとどのような反応がもたらされるか。今よりもよ...
収録日:2024/04/11
追加日:2024/07/27
中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授
4

どうすれば「最高の睡眠」は実現するか…健康な睡眠とは?

どうすれば「最高の睡眠」は実現するか…健康な睡眠とは?

「最高の睡眠」へ~知っておくべき睡眠常識(1)健康な睡眠のための方法

人生の約3分の1を、人は寝て過ごす。人間にとって不可欠な「睡眠」について、まだ分かっていないことが多く、睡眠ストレスや寝不足に悩む人は多い。現代人はどのように生活すれば最高の睡眠を得られるのだろうか。その前に、そ...
収録日:2021/06/23
追加日:2021/09/14
西野精治
スタンフォード大学医学部精神科教授
5

生物学的性差と文化的ジェンダー概念の入れ子構造の難しさ

生物学的性差と文化的ジェンダー概念の入れ子構造の難しさ

ヒトの性差とジェンダー論(5)生物学的性差と文化

第二次世界大戦下、その影響で飢餓が続いたオランダで集団としてそのときに生まれた男の子にゲイが多いという話がある。それは母親が極度のストレスを受けた生物学的影響だというが、一方で日本の戦国時代のような戦場で見られ...
収録日:2024/05/18
追加日:2024/09/16
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長