テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2021.05.16

若手社員にありがち「社二病」とは?

中二、大二に続くイタい2年目社会人

 「社二病」という言葉をご存知でしょうか。これは入社2年目の若手社員が陥りやすい、ちょっと調子に乗ってしまった状態を指します。「病」とついていますが本当にそのような病気があるわけではなく、見ていて痛々しかったりかわいそうに思えてしまったりする一種の「社会人あるある」を揶揄した言葉なのです。中学2年生頃に陥りやすい「中二病」、大学2年生頃に陥りやすい「大二病」とあわせて、「人生の三大病」といわれることもありますが、これももちろん冗談の話です。

 社二病が“発症”してしまう行動心理には、仕事や社会人生活への慣れが影響しているようです。社会人も2年目になれば仕事のサイクルが大体は把握できて、いっぱいいっぱいだった1年目より余裕が出てきますよね。そうなるとついつい“仕事ができる自分”アピールをしたくなって、本物のベテランから見ればイタくて薄っぺらい行動を取ってしまうのです。

 このとき社二病の標的にされるのが、入社1年目の新入社員。なにしろ社二病の人は入社2年目ですから、えらそうに先輩風を吹かせられる相手は新人しかいません。もうこの時点でイタいといわれてもしかたありませんが、こうやって標的にされた新人も次の年には社二病っぷりを発揮してしまう側になるかもしれないのです。

社二病の主な“症状”

 それでは具体的な社二病の“症状”の代表例を見てみましょう。

 新入社員に苦労を語る:新入社員をつかまえて、「自分が入社した頃は……」などといかにも勝手知ったる顔で苦労を語り、先輩風を吹かせます。似たパターンに、本当は少し手伝っただけの仕事を全部自分がやったかのように盛り盛りにした武勇伝を語ることも。度が過ぎると新入社員だけでなく、周囲の同僚や上司にまで呆れられてしまいます。

 新入社員に説教する:新入社員の仕事ぶりを見て「そんなやり方じゃだめだ」と説教し、先輩風を吹かせます。さらにここから「今の環境は恵まれている、自分が入社した頃は……」と苦労話のコンボにつなげる“重症患者”もいます。「だめだ」と言うだけで、どうすればいいのかの説明はないので、新人にとって有益な話はひとつもありません。

 ビジネス用語を多用する:エビデンスとかプライオリティとかコミットとか、社会人になってから覚えた小難しいビジネス用語をやたらと使いたがります。小学生くらいの子どもが新しく覚えた言葉を使いたがるのは微笑ましいですが、大の大人にやられても“ウザい”ですよね。わかりやすい言葉で伝えられる人こそが、仕事のできる人だと気づいてほしいものです。

 ハードワークをアピールする:「資料作りで徹夜をしてしまった」などの“寝てない”アピールをしたり、大量のエナジードリンクの写真をSNSにアップして“社畜”アピールをしたりなど、「仕事が忙しい」、「仕事を頑張っている」ところを見せたがります。あまりにひどいと、周囲から「また言ってる」と冷めた目で見られるようになってしまいます。

こんな人は社二病になりやすい

 社二病の言動を見て、「こういう人、まわりにいるな」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。なぜ、このような“症状”に陥ってしまうのでしょうか。社二病になりやすい人の特徴からその理由を探ってみましょう。

<承認欲求が強い>
 本当は自信がなかったり、自己評価が低かったりする人ほど社二病になりやすいです。「認めてほしい」「褒めてほしい」という思いが強いので、仕事ができるアピールをして注目を集めようとしてしまうわけです。このようなタイプの人は、自己研鑚に積極的な“デキる人”のふりをしたがる「意識高い系」であることも多いです。

 仕事内容や職場に不満がある:仕事の現状に不満があって真面目に取り組んでこなかった結果、特に目立った実績を上げていない人も社二病になりやすいです。わざと上司や同僚に反抗的な態度を取ったり、小難しい話をしたりして「自分はこの程度の場所にいるべき器ではない」「こんな環境ではモチベーションが上がらない」と主張しているのです。

<視野が狭い>
 社会人2年目ならしかたありませんが、知っている社会がまだ狭いので、周囲に社二病の先輩などがいると影響を受けて社二病になってしまう人も。なる人とならない人の差は、謙虚さにあります。「自分はまだ社会をよく知らない」という自覚がない人ほど、社二病の“症状”を「かっこいい」と感じて“重症化”してしまいます。

 多くの社二病“患者”は、ある程度成長すれば「恥ずかしい」と気がついて“自然治癒”していきます。それでも、周囲にこのような人がいると煩わしいですよね。社二病の人たちは基本的に承認欲求が強いので、「その態度、イタいよ」などと正論をぶつけずに、うまくおだてておきましょう。機嫌を取っておけばこころよく協力してくれますよ。

<参考サイト>
社二病とは?社会人2年目に訪れる流行病に注意せよ│退職Assist 
https://www.taishoku-a.net/trouble/worker-2year-ill.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

『失敗の本質』より先に指摘した日本型組織の弱点

『失敗の本質』より先に指摘した日本型組織の弱点

『タテ社会の人間関係』と文明論(7)日本型組織とリーダーシップの問題

日本軍研究で知られる『失敗の本質』よりも前に、日本型組織の弱点を指摘していた『タテ社会の人間関係』。日本の軍隊と英米の軍隊を例にとって、人間関係を重視する日本型組織の特徴を鋭く指摘、さらに法然と弟子の話を取り上...
収録日:2024/05/27
追加日:2024/09/19
2

オウンゴールも!?ロシアにとって許しがたいNATO拡大の背景

オウンゴールも!?ロシアにとって許しがたいNATO拡大の背景

ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大

長期化の様相を呈しているロシア・ウクライナ戦争。ウクライナに対してロシアが仕掛けているのは、多角的な手段を用いた「ハイブリッド戦争」である。それはいったいどのような戦略なのか。本シリーズ講義では、まずはこの戦争...
収録日:2024/07/25
追加日:2024/09/18
廣瀬陽子
慶應義塾大学総合政策学部教授
3

人の資本主義とは――新しい人間像と現代資本主義への警鐘

人の資本主義とは――新しい人間像と現代資本主義への警鐘

人の資本主義~モノ、コトの次は何か?(1)「人の資本主義」とは何か

「人間とは何か」「資本主義とは何か」、この二つの問い、その概念は歴史の上で常に変化し続けているという中島氏。「人の資本主義」は人と資本主義の合成語だが、両者を結合するとどのような反応がもたらされるか。今よりもよ...
収録日:2024/04/11
追加日:2024/07/27
中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授
4

どうすれば「最高の睡眠」は実現するか…健康な睡眠とは?

どうすれば「最高の睡眠」は実現するか…健康な睡眠とは?

「最高の睡眠」へ~知っておくべき睡眠常識(1)健康な睡眠のための方法

人生の約3分の1を、人は寝て過ごす。人間にとって不可欠な「睡眠」について、まだ分かっていないことが多く、睡眠ストレスや寝不足に悩む人は多い。現代人はどのように生活すれば最高の睡眠を得られるのだろうか。その前に、そ...
収録日:2021/06/23
追加日:2021/09/14
西野精治
スタンフォード大学医学部精神科教授
5

生物学的性差と文化的ジェンダー概念の入れ子構造の難しさ

生物学的性差と文化的ジェンダー概念の入れ子構造の難しさ

ヒトの性差とジェンダー論(5)生物学的性差と文化

第二次世界大戦下、その影響で飢餓が続いたオランダで集団としてそのときに生まれた男の子にゲイが多いという話がある。それは母親が極度のストレスを受けた生物学的影響だというが、一方で日本の戦国時代のような戦場で見られ...
収録日:2024/05/18
追加日:2024/09/16
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長