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DATE/ 2022.12.28

外国人が日本にきて「がっかりしたこと」7選

 コロナ禍による入国規制が緩和され、少しずつ海外からの観光客が増えてきた昨今。2022年11月の東京・銀座を歩くと、視界に入るどこかしらに外国人観光客の姿があるという、数年前の光景が戻ってきていました。

 日本にとっては良いことばかりではない「円安」も手伝って、この先ますます訪日外国人は増えていくと言われています。現在の円安に加え、治安の良さ、日本独自の文化、礼儀正しさなど、様々な期待を抱いて日本を訪れる海外からの旅行客。しかし、実際来日してみたら「がっかりした」という声を聞くことも。日本のどんなポイントに期待はずれを感じるのでしょうか。

期待外れ! 訪日外国人が「がっかりしたこと」とは

1・交通が複雑で分かりにくい

 よく聞くのが、空港から各地へのアクセスが不便という意見。タクシーで移動するにはコストが高く、鉄道やリムジンバスの路線も分かりにくいと戸惑うこともあるようです。また、都心の地下鉄は乗り換えが複雑で、路線図と睨めっこしている外国人もよく見かけます。そのため移動に思った以上の時間がかかってしまうとガッカリの声も。

2・wifiスポットが少ない、繋がりにくい

 日本ではキャリア独自のカバーエリアや5Gの拡大、通信料込みの格安スマホプランの普及などで、東京オリンピック後は無料wifiスポットは減少傾向。バスやメトロ、コンビニなどのフリースポットも縮小や廃止の動きが。アメリカやシンガポール、韓国などどこででもインターネットが繋がる感覚の国と比較すると、繋がりにくいと不満を感じる訪日外国人も多いよう。

3・先進国なのに言葉(英語)が通じない

 最近では英語対応できるスタッフを配したレストランやホテル、店舗等も増えた印象がありますが「思っていた以上に英語が通じなくて、がっかり/びっくり」という声も。毎回スマホの翻訳アプリ等を駆使して意思疎通しなければならず、コミュニケーションがスムースにいかずにイライラしたという人もいます。

4・キャッシュレス決済や両替所が少ない

 だいぶ普及してきたキャッシュレス決済ですが、小売り店や地方の店舗や施設などでは「現金のみ、限られた決済サービスのみで困った」ということもまだまだ多いよう。また現金を用意しようにも「日本には驚くほど両替所がない」とのことで、東京の新大久保など両替所の多くあるエリアにわざわざ足を運ぶことになったという人も。

5・安くて美味しいが、量が少ない日本食

 日本の食に期待を寄せて訪日する外国人も多いですが、安くて美味しいけれど「量が足らない」とがっかりする人も多いそう。「ホテルの朝食が薄いパン1枚で足らず、もう一度朝食を食べた」「ひと口で食べ終わってしまう料理ばかりでがっかり」等、日本人の食事は多くの国から見ても少なく感じるようです。

6・温泉がタトゥーに厳しい

 温泉旅館に泊まりたいという外国人観光客も多くいますが「タトゥーお断り」は未だにめずらしくありません。その事情を知らずに訪日した外国人は「差別された」と感じることも。シールで隠す、時間帯を限定するなどの条件付きや、部屋付き風呂に限ると対処している施設も増えていますが、タトゥーをネガティブなものとして扱われてしまうこと自体にがっかりすることも。

7・フレンドリーではない

 サービスが細やかだったり清潔で安全だったり、日本のおもてなしの心に満足する外国人もいる一方、言葉の問題同様に「全然コミュニケーションを取ってくれない」と日本人にがっかりすることも多いよう。目を合わせない、話しかけても「英語は分からない」と逃げるように行ってしまうなど、日本人の距離感を寂しく感じる人もいます。

「文化の違い」として受けいれて「良い旅を」

 上記の7つ以外にも「観光スポットの混雑や、飲食店の行列がひどい」「暗黙のルールが多くて、それなのに誰も教えてくれない」「ホテルの部屋も、民泊も、電車シートも、何もかも狭くてがっかり」などの意見もよく聞かれます。

 がっかりではなく「文化の違い」として受けいれてもらいたいこともある一方で、旅行中に過度な不便や不快な思いをさせてしまうのは、日本人としても不本意なところです。「インバウンド」という言葉が浸透し少しずつ改善されているシステムや観光策もありますが、私たち自身が外国人観光客と接する機会には「良い旅を」の精神で気持ちのいいコミュニケーションを取りたいものですね。
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