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DATE/ 2016.08.23

会社に対する不平や不満はどうやって解決する?

 会社への不満は、どんなものが多いのでしょうか。転職サイトの最大手リクナビNEXTでは、「退職を決断するに至ったポイント」として、人間関係、仕事内容、勤務時間・待遇、給与・評価の4つの方向性をあげています。今回は、よくある会社への不満と解決のヒントについて、お伝えします。

上司への不満は人間関係に入りますか?

 どんな組織にもありがちなのが人間関係。おしゃべりばかりで仕事にやる気のない同僚が自分と同じ給料だったり、お局さまや横暴な男性上司の機嫌にみんなが振り回される毎日だったりと、職場によって不平・不満はさまざまです。

 どこへ行っても多かれ少なかれつきものなのだから、自分の工夫で乗り切るのが一番などとアドバイスされることも多いでしょう。でも、一つ注意したいのは、上司や社長から出される命令や指示、えこひいきなどが不満の原因であるケースです。

 上司に能力がなくて、そのしわ寄せが自分のところに来る、社長や幹部が遊んでいたり、会社のお金でお酒を飲んでいたりするのは、経営管理の問題点です。「上司の言うことには絶対服従」などの行き過ぎは人権侵害ともいえますし、「自分は休暇を取るのに、部下には休暇を取らせない」ことや「社員旅行・飲み会・会議・研修・朝礼等社内諸行事の(半)強制参加命令」などは法令違反に当たります。

 人間関係は努力すれば変えられますが、経営管理の問題点は働く側からは乗り越えられない壁。よほど仕事にやりがいを感じていたり、そこで達成したいことがない限り、新しい仕事や職場を探すほうが得策です。

大変な仕事とつまらない仕事、どちらが大変?

 仕事内容に関する不平・不満は、大別すると「忙しいだけで毎日同じ仕事の繰り返し。これでは自分が成長できない」と感じるか、「適性や希望とかけ離れた職場に配置され、毎日が苦痛」、あるいは「上からの指示が漠然としすぎていて、何がどこまで要求されているのかわからない」などが多いのではないでしょうか。

 原則として、お金をもらってやる仕事である以上、自分にぴったり、すべてが楽しく満足できることはほとんどありえません。多くの人は懸命に取り組む中で、自分なりのやりがいや満足を得るように仕向けています。キーワードとなるのは「意志を持つ」こと。「この会社、10年後はどうなるのだろう?」と危ぶむ人よりも「この会社の10年後をこうしたい」と思って臨む人のほうが、仕事に対する満足度も自分に対する満足度も格段に上がります。

 いずれにしても、不適切な業務命令を強いられているのではないか、職務に必要な権限や備品を与えられていないのではないか、配分が不当ではないかなど、経営管理サイドで解決できる問題点があるかどうか、チェックしてみる必要があります。

長時間労働の問題は、源流を突き止める

 長時間労働による過労と睡眠不足で体調不良が続き、気力も失せ、働くためだけに生きているような生活だ、という人が増えています。サービス残業が多かったり、タイムカードを押さないようにいわれたり、「残業になるのは、仕事のやり方が悪い」と逆に叱られたり…。これらは、すべて法令違反ですからガマンする必要はありません。健康を害してまで仕事一途に取り組んでも、そのような会社では万一の場合、そっぽを向かれる危険さえあります。

 長時間労働になる原因が直属上司の考え方ややり方にある場合は、会社との相談も重要。会社全体の方針である場合は、一番に健康、その後は仕事のやりがい、スキルアップ、給与や評価など、自分の優先順位を決めて総合的に判断しましょう。

給与・評価は、自社の体系を知ることから

 評価や給与に不満のある人は、まず自社の体系がどうなっているかをよく知ることです。年功序列型の会社で、「評価を短期間にあげて、昇進・昇級につなげたい」と願っても、無理というもの。今あげた成果がすぐ次のボーナスに反映されるような会社もあれば、もっと長期的な見方をする会社もあります。

 企業の基本給には「属人給型(年齢給・勤続給など年功的なもの)」「仕事給型(職務給・職能給など仕事内容、能力的要素を考慮したもの)」「総合給型(両者を併存するもの)」があります。現在、日本の企業の多くが採用しているのは「総合給型」です。また、管理職になるまでは総合給型で、その後は仕事給型に移行する企業も多く見られます。

 「年俸制」「出来高制」「定額制」などの支払い形態は、上の割り出し方とは違うので、切り分けを明確にしておきましょう。例えば年俸制の場合、基本は能力給ですが、どんなに頑張っても、それが反映されるのは翌年以降の給与・評価になります。

 会社の制度を理解した上で、直属の上司の評価などがボトルネックになっていそうな場合は、上司や自分の異動で解決されることがあります。全く違う給与体系の会社に勤める友人などの話を聞いてみるのも、参考になるでしょう。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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