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小選挙区制になって初のダブル選挙となるか?

衆参同日選挙の可能性と争点

曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツTV副座長
概要・テキスト
野党が力を失っている今、同日選挙は安定政権を狙う安倍首相にとって大きなチャンス!のはずだが、果たして? 政治学者で慶應義塾大学大学院教授・曽根泰教氏が、衆参同日選挙の可能性とその争点について解説する。
時間:13:02
収録日:2016/01/25
追加日:2016/03/07
カテゴリー:
≪全文≫

●衆参同日選挙7月10日有力説


 今、永田町では、衆参同日選挙はあるのかということが非常に興味を持たれているし、マスコミの報道もそこに焦点が当たっています。

 そこで、1月4日に国会がスタートし、6月1日に会期末という設定は何を意図しているのかということで憶測があるわけです。一つは、参議院選挙があるのは間違いないということです。参議院選挙は任期が終わる前30日以内に選挙を行う、あるいは、選挙の少なくとも17日以内に公示がなされる必要があります。衆議院の方で解散がある場合はどうかというと、解散の日から40日以内に衆議院選挙を行うことになります。

 それから、もう一つ考慮しなければならないのは、18歳以上の選挙権のことです。20歳以上だった選挙権が18歳以上に変更になったわけですが、これが公布後1年後に施行するということで、6月19日という日にちを超えないといけません。ですから、国民に、あるいは、若者に対して18歳に引き下げると言っていながら、今度の選挙のときにはまだ18歳に選挙権がないといったら、若者は怒るわけです。そうすると、選挙は6月19日以降になるのです。

 そうであれば、いつなのか。皆さんが、これを計算するわけで、7月10日という説が一番有力なわけです。ただ、その条件だと、7月17日でも、あるいは7月24日でも、選挙はできると思います。しかし、その場合は会期延長をしないといけません。ですから、会期延長をしないまままでやるとしたら、7月10日に選挙ということになるわけです。


●同日選挙を可能にする要因-解散権と公明党との駆け引き


 つまり、これは計算すれば可能な日があるということです。ただ、可能な日があれば選挙をするということなのかという問題も一つあります。可能な日があるとして、もう一つ問題なのは、1票の格差問題で違憲判決が出ている現行選挙制度の下での解散はできるのかできないのか、ということ。これに関しまして諸説ありますが、多くの理解では、内閣が行おうとしている解散はそれによって縛られることはないということです。つまり、解散はできるということです。裁判所の判断が「違憲」と出ても、それは仕方がない、ということなのです。ですから、解散権と違憲は、必ずしも一致していません。つまり、違憲状態であったら解散はできないかというと、「解散権は縛られてい...
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