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自公連立―「水と油」の自民党・公明党がなぜ組んだ?

著者・佐高信が語る『自民党と創価学会』

佐高信
評論家
概要・テキスト
『自民党と創価学会』(佐高信著、集英社)
辛口評論家としておなじみの佐高信氏が、現在発売中の新著『自民党と創価学会』(集英社新書)の中からとっておきの秘話を明かす。果たして自公連立政権にはどのような問題があるのか。連立政権誕生への歴史的経緯を追いながら、その危うさを佐高氏が語る。
時間:19:31
収録日:2016/02/29
追加日:2016/06/30
カテゴリー:
≪全文≫

●自民党と公明党はそもそもとんでもなく仲が悪かった


 最近、『自民党と創価学会』という題の本を書きました。この5月に集英社新書から出る予定です。自民党と公明党が連立政権を組んで17年ほどになりますが、実は、そもそもはとんでもなく仲が悪かったのです。いまから20年あまり前の1994年、自民党が野党だった時、「自由新報」という自民党の機関紙で計20回にわたって激しい公明党批判、創価学会批判を行いました。私はこの現物を手に入れて読みましたが、公明党、創価学会がどのように日常の活動をしているか、いかに税金の問題を恐れているかなど、微に入り細にわたった批判をしていました。

 それから自民党と公明党が連立政権を結ぶまで、わずか5年です。1999年に、小渕恵三と、官房長官などの役割を果たした野中広務が連立政権をスタートさせています。その後、自由党と自民党と公明党の自自公、自由党から分かれた保守党が加わった自公保連立が間にはさまりますが、基本的には自民党と公明党の連立が続いてきました。しかし、この連立は、1994年の「自由新報」の批判を読むと、まったく水と油の野合といわざるを得ないわけです。


●公明党は完全に自民党に屈服した


 では、それほど激しく全否定された公明党、創価学会がなぜ自民党と手を結んだのかといえば、そこには「密会ビデオ問題」が絡むのです。後に喧嘩してしまいますが、公明党のバックにある創価学会が当時「本山」と呼んでいた日蓮正宗・大石寺が、静岡県富士宮市にあります。その富士宮市を中心とする暴力団に、山口組きっての武闘派と言われた後藤組がありました。後藤組は、本山の墓石、墓苑の土地問題におけるいざこざを収めるボディーガードの役割を果たしていたのです。しかし、後藤組と本山、そして創価学会の間が近すぎたために問題が起こります。それを収めるために、公明党の都議会議員を異例に長く務めた藤井富雄と、後藤組組長の後藤忠政が密会した現場を映したビデオテープがあるというのです。これを嗅ぎつけたのは、自民党の亀井静香だといわれています。そして、亀井、野中の間で密会ビデオの存在が明らかになってから、公明党は一も二もなく自民党の軍門に下ったというわけです。

 だから、表向き、公明党は自民党と対等関係だといっていますが、密会ビデオ問題を考えると、実際には、公明党は完全に自民党...
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