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塾先輩の痛烈な後押しに一睡もせず将来について考えた夜

なぜ政治家を志したのか~松下政経塾と三つの出会い~

前原誠司
衆議院議員
概要・テキスト
画像提供:公益財団法人松下政経塾
前原誠司氏はなぜ政治家を志したのか。そこには、大きな契機となった松下政経塾、そして政治の世界へと繋がる、大事な三つの出会いがあった。前原氏にとってまさに必然ともいえる、その出会いとは。
時間:08:34
収録日:2014/03/20
追加日:2014/05/01
カテゴリー:
≪全文≫

●『国際政治』との出会いから高坂正堯先生を知る


「なぜ政治家を志したか」という話をするときには、まず大学受験までさかのぼることになります。
私は、一度大学受験に失敗をしたことがあります。これは言い訳ですが、高3まで下手な野球をやっていて、1年目も2年目も京大法学部を受けたのですが、1年目は合格できなかったのです。
なぜ1年目に京大法学部を受けたかというと、実は、私は高3までずっと理系でした。若干自慢話をすると、数学が非常に得意で、京大の模擬試験でも数学だけは偏差値80ぐらいあって、数学が好きだったのですが、理系で進みたい学部があまりなかったのです。しいて言えば医学部かなと思っていました。
父が家庭裁判所に勤めていたということもあり、家の中にはいつも法律の本が置いてありました。そういう環境で育っているので、漠然と1年目は京大の法学部を受けたわけです。
浪人をするとき、父はもう亡くなっていましたので、母を拝み倒し、1年だけ浪人させてほしいということで、予備校にも行かせてもらったのです。その分、大学に入ってからの生活費は全部自前でやり、奨学金は母に全部渡しました。
浪人中の1年間、駿台予備校京都校というところへ通ったのですが、その近くに本屋があり、勉強がしんどくなったり、現実逃避をしたくなると、その本屋に行っていました。そこで立ち読みをしていたときに出会ったのが、高坂正堯先生の中公新書『国際政治』という本だったのです。
何が良かったかというと、リアリズム、現実主義的な考え方に惹かれたのです。
それで、高坂先生はどこの先生だろうかと気になって調べて見たら、京大法学部でした。そのとき、自分自身の中に京大法学部をもう一度受ける目標ができたという思いが生まれ、なんとか2年目には合格をさせていただいたわけです。

●京大法学部・高坂正堯先生との出会い


専門は3年生からですが、2年生の時から高坂先生の授業に潜り込んでいました。あまり授業に出るほうではなかったのですが、先生の授業を受けていたのです。初めは何も分からないわけですよ。結局、2年生の時はよく分からず、3年生の時にまた同じ授業を受け、そしてゼミに入って、ようやく分かるようになってきたのです。そのうちに、国際政治、外交安全保障という分野で、将来何らかの生計を立てたいという思いを持つようになっていきました。そこで考え...
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