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クラスター対策班の活躍を生かすためにも新プランの構築を

脱コロナへの課題と展望(3)専門性と全体性をどう考えるか

概要・テキスト
新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、クラスター対策班はとても有効に機能したが、この対策をプランAだとすると、日本政府はきちんとしたプランB、プランCを描けていたのだろうか。収集した情報をもとに早急に構築すべきである。(全3話中第3話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:08:17
収録日:2020/04/22
追加日:2020/05/02
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≪全文≫

●クラスター対策のほかに新たなプランを用意すべし


―― あと、論点の一つとして小宮山先生が提起されたのは、専門家の専門性が大事であるけれども、全体的な判断も大事であるということで、このバランスをどう取っていくか、という問題です。

 この点で考えると、日本の場合、公衆衛生の先生方がクラスター対策ということでいいモデルを打ち出して進めていました。もちろん公衆衛生の先生方もこれがいつかは限界が来ることは分かっていたので、時間を稼ぐためにやっていたという面はあるということは、橋本英樹先生をはじめ、講師の先生方に教えていただいたことです。このあたりのことについて、曽根先生はどのように分析されていますでしょうか。

曽根 北海道大学の西浦博教授が行っているクラスター分析は、WHO(今回、WHOはかなりだらしなかったが)に提供できている日本のモデルの一つです。特に北海道では丹念にクラスターを見て、どこに感染が拡がっていったか、その感染経路を潰していくと同時に、それによって割合的には10人のうち1~2人が何人にも感染させるというクラスターをつくっていたことをつかみました。

 ただし、クラスター分析は、感染者が少ない場合にはそのもとを断つべく、かなり職人芸的に丹念に拾い上げていくことが有効なのですが、感染経路が分からず、感染者が爆発的に増えてくるときには追いきれなくなってしまいます。そうなるとこれは、仮にクラスター対策がプランAだとすれば、プランB、あるいはプランCでもいいのですが、それを用意しておくべき問題だと思います。


●感染者数が少なくなってからのクラスター分析


小宮山 これはプランCかもしれませんが、私は「ポスト緊急事態宣言」について考えています。その時期には新規感染者が減ってきます。そこで、新規感染者の動きを追うのはやはりクラスター分析になるのではないかと思います。ただし、西浦先生は超人的に奮闘されていますが、その対策を続けていくためには、西浦先生のような人をたくさん出していくべきです。保健所や病院などの現場の人たちは、献身的に多くのことを経験しているので、技術も高まっているはずです。

 ですから私は、日本ならある程度感染拡大が収まってきたときのクラスター分析はできるのではないかと思っています。そのあたりはどう考えていますか。

曽根 感染者数が少なくなってからクラ...
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