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小泉純一郎氏による「トモダチ作戦」支援基金創設の経緯

トモダチ作戦を忘れるな(2)米国で見た健康被害の実態

概要・テキスト
空母ロナルド・レーガン
元内閣総理大臣・小泉純一郎氏が、なぜ「トモダチ作戦」の支援基金創設に至ったかを語る。脱原発を各地で訴え始めた小泉氏は、3.11後に救援活動を行った米軍兵士が原因不明の病気に苦しんでいるという話を耳にする。実際にアメリカに赴き、兵士本人らから聞いた話は、日米のマスメディアが報じていない内容だった。(全6話中第2話)
時間:16:57
収録日:2016/10/24
追加日:2017/02/05
≪全文≫

●トモダチ作戦に参加した兵士たちの現状を聞きに行く


小泉 各地で脱原発を主張する中、トモダチ作戦の話を持って来る人がいたのです。「ぜひとも話を聞いてほしい」と。2011年3月11日の事故当時、原子力空母レーガンに乗り込んでいた海軍は、韓国に向かって太平洋上を進んでいたのです。そこで、福島の原発のメルトダウン大災害、地震、津波のことを聞いて、日本政府の要請に従い、進路を変更して急きょ駆けつけてくれたのです。いわゆる「トモダチ作戦」です。

 沖合に約1カ月間停泊して、ヘリコプターに乗って様々な救援活動をしてくれました。その兵士たちが、原因不明の病気にかかっているというのです。あまり報道されていないので、世の中にはほとんど知られていません。そこで、「私の話を聞いてほしい」と言った人が、「ぜひ小泉さんがカリフォルニアのサンディエゴに行って、今、病気になっているトモダチ作戦の兵士から直接話を聞いてほしい」と言うのです。「小泉さんが話を聞きに来たということなら、少しはマスコミも報道してくれるのではないか」ということで、2016年の5月、4日間の予定で行きました。

 10人から一人ずつ、約30分から1時間程度、話を聞きました。彼らは、20~30代の海兵隊の兵士ですから、健康診断でも軍隊活動には全く問題ないという健康な人間ばかりだったのです。しかし、今はもう正常な活動ができないため、除隊せざるを得ないということです。

 私に「話を聞いてほしい」と言ってきた兵士たちは、症状が比較的軽い人たちです。もっとずっと重い人もいます。その人はテレビ画面を通して会談すると言っていたのですが、その時間が迫ってくると、容態が重くなったからテレビ越しでも話せないということで、結局収録場所に来られなかったのです。とはいえ、10人に一人一人個別に話を聞き、「ああ、こんなに病気に苦しんでいる人たちがいたのか」と思いました。

 日本のマスコミはどうしてこれを報道しないのか、と不思議に思いました。しかし、話を聞いているうちに、これは日本だけの問題ではない、と気が付きました。アメリカの軍隊も、放射能の問題についてはあまり知られたくないのではないかと思ったのです。

小宮山 そうですよね。


●国防総省の報告書には「放射能による健康被害とは断定できない」」


小泉 (当時、放射能を帯びた)風が海岸に吹いていました。(ア...
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