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AIへの不安と懸念…だからこそ「教養」が必要になる

Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(7)AI活用の落とし穴

渡辺宣彦
日本マイクロソフト株式会社 執行役員常務 エンタープライズ事業本部長
概要・テキスト
今後、AIが私たちの生活に不可欠な存在になることは間違いないが、そこにはサステナビリティやセキュリティの面で、さまざまな懸念がある。国家、企業、個人は、AI活用に伴うマイナス面に対してどのように対処していくべきなのか。マイクロソフト社の取り組みを参照し、健全なAI活用の方途を探る。(全7話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:15:03
収録日:2023/08/01
追加日:2023/11/08
≪全文≫

●AI活用に伴う電力の大量消費問題をどうするか


 第6話の最後のほうで、問題点として質問させていただきましたけれども、実際にAIに仕事を任せるときの落とし穴について、渡辺さんはどのようにお考えでいらっしゃいますか。

渡辺 そうですね。メディアですとか、世間一般でも、いろいろとAIに関しての不安や懸念も言われています。実はOpenAIのサム・アルトマンもそういうことを言っていたり、GoogleやMetaなど、そういったこれまでAIについていろいろな仕事、成果を出してきているAIの研究者の人たちも警鐘を鳴らすようなメッセージを出しているので、そこは避けて通れないというか、われわれも真剣に向き合いながらAIの活用を考えていくべきなのではないかというふうに考えています。

 まずお見せするのはこちらなのですけれど、これが何だかおわかりになりますか。

―― これは白い建物としかわからないですね(笑)。

渡辺 おっしゃる通りですね。白い建物なのですが、これは実はデータセンターなのです。

―― データセンター。はい。

渡辺 マイクロソフトが、これはもちろん当社の提供しているデータセンターなのですけれど、車も一緒に写っていますので、車の大きさから考えるとかなり大きな白い箱です。こういうものがたくさん並んでいて、隣に更地もあるのをご覧いただけるかと思うのですけれど、こういうものをどんどん増やしているのが今の状態です。

 マイクロソフトはデータセンターを世界200カ所以上に提供していて、そのネットワークをどんどん増やしている最中なのです。

 すごくいいではないですか。しかし、これには困った面もありまして、先ほどのLarge Language Modelは、たとえばGTP3.5で言うと、3500億個くらいのパラメータを処理するのですけど、3500億というとどれくらいの数か、いまいちイメージが湧きにくくなってきます。そういうことをやるがために膨大なプロセッサを必要とするのです。要は、コンピュータを使うということなのですけれども、コンピュータを使うことで熱が出るというのと、電力を大量に消費をするのです。

 なので、AIをどんどん人間が使っていくということは、サステナビリティの面に関してまあまあのマイナスになるというのが不都合な話というか、落とし穴の部分になってくるのではないかと思っています。

 こちらは、日本政府も国会で話される答弁...
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